今年は異常な暑さが続いています。全国的に最高気温更新のニュースが報道される中、昼にお電話がありました。昔から「多汗症」で、異常な“大汗”をかくとのことでした。現在、外での作業が主で急に暑くなり汗が噴き出てくる、熱中症対策で水分はしっかり飲むよう気を付けているとのことでした。個人差はありますが、暑い時に汗をかくことは大事です。体温調節や代謝や血行を良くしたり、皮膚表面の老廃物を排泄する役目があります。過去の相談を思い出しました。上半身の汗を止めるため、脇にある自律神経の神経節を切る施術をされた若い女性、術後汗をかかなくなったまでは良かったのですが、カサカサ肌になってしまい、逆に汗をかく漢方薬をとのことでした。これも悩ましい相談でした。さて、今回は「黄耆(おうぎ)」という生薬を使った漢方薬を選びました。黄耆はマメ科の植物で、元気をつけたり、汗の異常を正したりする生薬です。飲んでいる“水分の明細”を確認したところ、“炭酸入り”で“冷たい”ものをよくとっているようでした。暑いのですが、できるだけ常温で胃腸を冷やさないようにお願いしました。胃が冷えると「肌肉(きにく)」下に水が溜まり、暑い中では一気に汗が噴き出すからです。おまけで“夏場の涼める食品”の話もしてあります。
セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師 瀬尾昭一郎