その日は漢方相談者の対応をしていました。店頭にやせた高齢の男性がスタッフと話をしている姿を見て気になっていました。一旦お帰りになったので、後で内容を尋ねたところ、「ここ一年、首の付け根下から胸上、丁度ランニングシャツの肌が見える部分が痒くて困っている。一番強いステロイド軟膏で痒みが止まるが、次のクラスのステロイド軟膏では効かない。昨晩インスタントラーメンを食べたらひどくなった」という内容でした。再度予約をしてもらい、患部を診たところ、ツキノワグマの胸の白い部分が三日月状に真っ赤になっており、皮膚が薄く、痛々しい(本人は痒くてたまらない)様子でした。汁が出ている様子は見受けられませんでしたが、時間の問題かな~と思いました。皮膚の炎症をとる漢方薬の顆粒、かゆみの原因となる、汗や汚れをとる清拭剤、直接皮膚に塗るセオのローション剤、食事の矯正のために葉緑素の錠剤を差し上げました。一ヶ月後、「先生、半分くらいに痒みが取れました」とご報告。診ると、赤みが大分引いていました。
「今回は煎じ薬の漢方薬に切り替え、しっかり治しましょう」と希望を持ちながらの相談でした。
セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師 瀬尾昭一郎