「先生、申し訳ありません!またですが“○○○○○(牛黄製剤)”の仕入れ値が倍に値上がりしました!」取引している漢方薬メーカーS氏から悲痛な電話でした。ここ4~5年、牛黄の流通が無くなったり、品薄により異常な値上がりをし、今となっては溜息と諦め気分で驚かなくなりました。牛黄は牛の胆石で高貴薬としてここ二千年ほど珍重されてきました。近年の中国バブルに伴い、海外へ現金を持ち歩き、畜産農家の牛を含めた土地ごと買い上げる荒商売をしているらしく(漢方薬メーカー社長情報)、日本への流通が無くなってきているとのことでした。有限の生薬のため、いずれは何か起るだろうとは思っていましたが、このような形で急な値上がりに困っています。セオのお客様の中には、牛黄で命を永らえている方が数名いらっしゃいます。現在もですが、このままでは手の届かない価格となっていき、販売自体が成り立たない状態となってしまいます。何か代用でも牛黄に変わる製品があれば良いのですが、なかなか難しい問題となっています。牛黄を少量の構成成分として使用している一般商品も次々と値上げの通知が舞い込んでいます。
セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師 瀬尾昭一郎