ライブラリー

2022年7月「学校薬剤師 薬物乱用防止授業 」


 

ここ数年、小学校の依頼で薬物乱用防止授業を受け持っています。対象は3年生から6年生までの4学年を学年ごとの授業になります。「薬物乱用防止」とは、医薬品(くすり)レベルでは目的に応じた正しい使用をすること。薬物化学薬品レベルでは、違法性のあるものの禁止、成分で体に大きな影響を及ぼすものの制限や拒否等の教育を目的としています。麻薬、覚醒剤、違法ドラッグ等はよっぽどの何かがない限り手に触れるものではないですが、たばこやアルコール等は成人が日常的に嗜好しており、身近にあります。このレベルのものを「ゲートウェイ」といって、気軽に体験してしまう入口として気を付けるように指導します。知識としてはしっかり受け入れ断る勇気を持つことです。上記“見本”を展示しますが、みなさん興味津々で、質問が飛び交います。「これ何々?本物?」「触っていいですか?」「中身は?」関心を持つことは大事なのですが、「本物」を見たい、体験したらどう感じるのだろうという気持ちにならないか心配します。将来、第二次成長期に差し掛かるので「健康」「成長」「運動」「勉強」等を例に、一人の体ではなくみんなの中の一員であることを自覚してもらうことが大事かと思います。そして、何か困ったり悩むことがあったら、周りに相談できる人がいたり、雰囲気や環境があることが必要です。

 

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎