相談例集

2014年2月 病は「気」から


「気」という文字を使った単語は多い。勇気、元気、意気、殺気、湿気、気分、等々。では、気とは何か?血液や水分は目で見えるが、気は見ることができない。人はいざというとき、常識では考えられない力を出す時がある。俗に言う「火事場のばか力」である。これは気が起こす不思議が、形として現れた一瞬であろう。昔から「病は気から」と言われる。男の人がのどが詰まった感じがして、検査をしたがどこも悪くないと言う。これは気うつの状態で「梅核気」と言う。梅の種でのどがふさがった感じがする病だ。小学生の男の子が母親と二人で来た。男の子は目をシパシパさせて落ち着かない。一種のチック症状だ。気のよどみである。親に何か訴えたいが、言い出せない感じにとれた。同時にオネショも気のよどみである。気は目に見えないが、心と体を結ぶ大事な働きをする。自然の中から生まれた漢方薬は、この気の流れをうまく調節するのにすぐれている。自然の力の知恵である。