相談例集

2019年3月「牡丹(ボタン) その1」


春の訪れとともに、また「牡丹」の季節がやってきます。我が家では鉢植えにしていますが、それぞれの株ごとに、白、赤紫、黄、ピンクの花びらが幾重にも広がり、両手にすっぽり入るほどの大きさの花が咲きます。ボタンの地上部は冬の間細く枯れた枝ですが、寒が過ぎる頃から葉の赤い芽が出始めます。成長した葉はくすんだ緑色をしています。花が咲くまではみすぼらしい印象がありますが、ピンポン玉くらいの蕾が徐々に膨らみ、開花して散るまでの一週間ほどは、「私を見て!」と言わんばかりに存在感と妖艶さを備え、思わず拍手をしたくなるような咲きっぷりです。昨年は、自宅だけではもったいないので、薬局の店頭で咲いた順番ごとに展示しました。ちょうど外国人旅行客がたくさん訪れており、花を見ながら指さしたり感激の声を上げたりして、記念撮影をする情景を何回も見ることができました。これの漢方薬の原料としての生薬は「牡丹皮」と言って、根の皮の部分を用います。主成分「ぺオニフロリン」には独特の漢方薬的な香りがあります。市販でも生薬を煎じる薬等は似たような匂いがするかもしれません。消毒薬のような、少々薬臭いニオイです。

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎