相談例集

その他

2016年7月 "いづろ店お陰様で30周年特別企画" 「三遊亭歌之介高座」

いづろ店開業30周年特別企画、「わははと笑って健康長寿 笑う門には免疫アップ」と題して、三遊亭歌之介師匠の高座を6月19日(日)開催致しました所、会場いっぱいのお客様に御聴講頂きました。有難うございました。あいにくの雷雨と豪雨で開催自体も危ぶまれましたが、歌之介師匠や展示メーカーも無事鹿児島入りされ、変更なく開催することができました。足元の悪い中、ご参加下さった皆様には本当に御礼申し上げます。一部交通網の支障等でご参加出来なかった方には申し訳ありませんでした。お話は笑い笑い笑いの連続で、10秒に一度は笑ったでしょうか?笑い涙が止まりません!ダジャレあり、勘違いあり、フッと間を取ったとぼけがあり、泣いたり笑ったり叫んだりとび跳ねたり、師匠の一生懸命汗びっしょりの一人舞台に会場全員が見入った二時間でした。 トンチのきいた話でセオ薬局の宣伝まで入れて下さいました。私も締めの挨拶をうっかり忘れるところでした。ホームページコラム「健康十訓」の「少憤多笑」でも取り上げましたが、笑う事で血行が良くなり、呼吸も腹からの腹式呼吸になります。笑いの余韻の残る中無事終了となりました。

 

2016年8月 健康十訓 少言多行

現代は男女問わず、積極的に自分の意見を述べ、相手の話も聴き、討論する機会が多くなっています。一方、昔のことわざに「沈黙は金」というものもあり、時と場合により選択が必要でしょう。「有言実行」は信頼を勝ち取る意味では大事です。今月の表題「少言多行」は鹿児島弁で言う"議を言(ゆ)な"でしょうか?"理屈ばかりでなく実行を"という所だと思います。"あの人は腰が軽い"と褒めたりします。常々動き回る事は関節を柔軟にしたり、筋肉を維持するのに役立ち、脳の活性化にもなります。筋肉は1年に1%づつ減少すると言われ、今50歳の人は60歳になると1割の筋肉がそげ落ちているのです!楽をして体に負荷をかけなければ筋肉がどんどん減って動けなくなります。「多行」は"歩くこと"に置き換えてもよいでしょう。適度な運動を続けることは健康維持の近道となります。徳川家康が「人の一生は重き荷を負うて遠き道を往くが如し・・・」と述べています。人生の負荷を持ちこたえる体力や気力が必要ですね。日本全国、高齢化のことも重なり、ひざ・腰・肩の痛みに関する健康食品、医薬品、療法、機器がビジネス化され毎日誰かがお世話になっています。とにかく毎日歩き続けることは必ず健康に役立ちます。歩く歩く。

 

2016年9月 健康十訓 少憂多眠 パート1

「憂いは肺を破る」と言われます。例えば、肺病の人が暗い部屋で夜悶々と考え事をすることは、病気を長引かせる一因となります。「病(やまい)は気から」とも言いますね。気が張っている時には病が体に入らず、気が緩んだ途端寝込んでしまうこともあります。東洋医学では昼を「陽」、夜を「陰」と位置づけます。お互い相反する位置づけで、陽は活動的で明るく熱や活力のある"動"のイメージ、陰はしっとり落ち着き暗く涼しく"静"のイメージ、陽も陰もそれぞれエネルギーがあります。夜(陰)の思考はマイナスの考え方が多くなり、眠れなくなるのです。翌朝(陽)思い返すと何を悩んでいたのだろうと気持ちが楽になった経験がおありと思います。陰の時刻に陰が重なると「極陰」といって極端に傾く事になります。夜(陰)の果物(陰)やビール(陰)、アイスクリーム(陰)も同様です。「極陽」も行きすぎで、陰と陽の絶妙なバランスが中庸つまり健康をを保つ事になります。漢方では多すぎるものは削り、少ないものは補うという考えがあります。例えば「胃脾」を補う事で「肺」を補い「憂」を治します。

 

2016年10月 健康十訓 少憂多眠 パート2

1日起きて活動していると、体は何らかの情報や物の刺激を受け反応しています。エネルギーの消費や消耗をして、時間の経過とともに疲れます。次のステップに進むためには休憩が必要です。1日の疲れをとるには、とりあえず、適正な睡眠時間をとることが早道でしょう。睡眠中は外界との接触を断つ事で自分の補修や整理、排泄の仕事を体は自動的に行っています。理想の睡眠時間は通常大人で7~8時間と言われますが、かなり個人差があって、10時間寝ないといけない人もいれば、3~4時間でも大丈夫な人(どこかでうたた寝しているかも?)もいます。睡眠のとりすぎは代謝の低下となり返って体調を崩してしまいます。私の体験ですが、学生時代の暇な頃、する事がなく病気でもなく、48時間寝続けた事があります。目が覚めた時トイレと牛乳を一口飲んでまた寝る事を繰り返し、時刻もわからずコンコンと寝続けました。さすがに起きあがった時は気分がすぐれず、気力がなく、食欲もなく、体が非常に重く返って疲れ、ふらつきがあり、病み上がりの感覚でした。適正な睡眠時間が大事な事がわかりました。多眠もほどほどに。

 

2016年11月 健康十訓 少欲多施 パート1

「人」という文字は二人が支えあった形に見えます。人は一人では生きられず、何らかの形で周りのお世話になって"生かされている"ことは、私も年とともに身にしみてわかるようになりました。お世話を出来た機会に相手の方から「感謝」や「有難う」という言葉を頂くと、ホッと心が落ち着きます。また、こちらがそういう行為や思いやりを受けた時には、素直にお礼を言いたいものです。鹿児島出身の歌手、森進一さんの有名な歌に「おふくろさん」があります。「♪おまえも~いつかは~世の中の~傘になれよと教えてくれた・・・」という歌詞はいつも私の胸を打ちます。"社会で立派になったら、私欲をなくして他人様のために大いに頑張りなさい"まさに「小欲多施」そのものです。人の生きる道として大事な考え方でしょう。蛇足ではありますが、セオ薬局いづろ店の"金生ウェーブ"アーケード通り沿いに、昔、森さんが行きつけだった"有名なラーメン屋"が新規移転オープンしました。大変な人気で毎日行列ができています。

 

2016年12月 健康十訓 少欲多施 パート2

ガンの治療が飛躍的に進歩しています。先日某新聞に『がんになりやすさに地域差』という見出しで、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がんの全国調査報告がありました。私が気になったのは、乳がんのトップで東京が突出していた事です。出産経験者が少ない事もですが、24時間緊張の続く仕事や偏った食生活がベースにあるものと想像します。日本人の死因トップに「ガン」が躍り出て久しいですが、「癌」という漢字を分解すると、「やまいだれ」に「品」の「山」と読めます。「品山」は「巌」(固い)という意味があるそうですが、それは何でしょうか?自分に係る過分な負担が想像されますね。あれもしないと、これもしないと!あれが欲しい、これがほしい!もっともっと!欲は尽きないものです。ストレスの発散場所がない時もあります。いざという時の医療はかなり進んでいますが、身から出たさびを切ったり、照射で炭にしただけでは本来の体質や性格は変わっていません。病に至った流れや生活習慣を見つめなおす事が肝要です。食養生でも、「腹八分目」「よくかむ」ことが重要です。和食を離れ、毎日欲しいものを腹いっぱいはおかしいのです。

 

2017年3月 健康十訓 まとめ "100歳を目指して"

思いつくままに毎月「健康十訓」の事を綴り、二年も経ってしまいました。これ以外にも、健康に関する訓示はたくさんあると思います。近年かなり便利になった反面、生活習慣が大きく変化した事をつくづく感じながらの執筆でした。私が現代人に関して感じたキーワードは、「冷え」「ストレス」「運動不足」「食べ過ぎ」「疲れ」「発散不足」「薬品漬け」でした。日本人にガンが異常に多いのは、キーワードのことがベースになっていると想像します。最近は部位により治る治療も増えてきていますが、まずはガンが発症しない事、健康維持をする生活習慣が大切な事ではないでしょうか?「未病」を治すことが出来れば小さいうちに火を消すことが出来るわけです。病が“子供”のうちに早く手を打つ事は、重要な作戦でしょう。文中に漢方の話題を組み込むことがあまり出来ませんでしたが、これらに関して対応する漢方薬がたくさんあります。気になる方はご相談下さい。「センチナリアン(100歳以上のお年寄り)」という言葉を耳にしました。色々調査もされ、何がこのように導いたのか納得するような放映を目にしました。それぞれの性格や体質、環境、運、条件を兼ね備えた結果と思いますが、人は長生きできる実証だと思います。努力しましょう。

 

 

 

セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

 

2017年4月 透析をまだしたくない

1999年(平成11年)11月24日の夕刻、やせ型、顔色褐色、80歳、細身の男性が見えた。尿酸値上昇、腎臓が悪い、狭心症様の痛みもあるので「ニトロール」をもらっている。医師から「透析」と言われた。まだしたくない、なんとかならないか。身長165cm、体重63kg、左の片腎は御子息に提供、右腎が残っている。話を伺っていると、なんと、この人“ノモンハン事件”の生き残りであった。「よく生きてかえられましたね!」、「あんな馬鹿な戦争はありませんよ!」、この人はキッパリと切り捨てた。初戦の時、高熱が出て、朝鮮の北部、現北朝鮮の北部にある野戦病院へ後送、一命をとりとめた、といわれた。“幸運の人”である。なんとかしてあげなければと、考えた。その時、漢方処方30日分と、ミネラル・亜鉛を含んだカキ肉エキス錠を差し上げた。毎月見えた。4ヶ月たった。はじめ”土色“をしていた顔色が、ずいぶんと良くなってきた。近所の人も、「この頃、顔色が良くなられた」と言ってくれる、本人がまず”喜んだ“。初めて来ていただいた時、11月の末、帰られる後姿を、私は道路に出て見送った。駐車場はあったのに、本通りの西側の小すじに自家用車が止まっていた。折しも、暮れなずむ秋の夕暮れ、雲のすき間から、一瞬、一条の光が差す。”逆光のシルエット“去りゆく”この人の後姿“を”後光“が包んだ。瞬間、この人は助かると想った。そして、なんと、10年間、元気で、毎月のように、鹿児島へ来ていただいた。そして、10年たった。そろそろ「透析をしようと思う。」「そうですね。」そうして頂いた。当時用いた漢方の処方は、7種類あった。はじめ、「柴○○湯○○○」から始まって、少しずつ変えていった。専門的なので、処方名は省く。「カキ肉エキス製剤錠」と「アミノ酸製剤」は最初から、最後になって、ストレスを去る牛黄製剤、薬用人参製剤を加えた。

「水に棲む蛙の声」瀬尾昭 著 より

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2017年5月 「牛黄」について東京で講演して下さい

平成8年10月11日、女子医大退院。しばらくして、東京の“ウチダ和漢薬”より、連絡があった。医師、薬剤師を対象に、東京で「牛黄」の講演をして下さい、というものであった。体調も、勿論もどっていない。「少し時間を下さい、勉強してみます。」、と延ばした。九州のK支店長に頼んでみた。「その後、牛黄の学術資料は出ていませんか?」しばらくして資料が送ってきた。京都府立医大、「牛黄」についての“実験”であった。数枚めくってみて驚いた。こうだったのか、故小島教授より、すぐる年依頼されて、出来なかった、「牛黄薬理の実験」をこの眼で読み取った。以下のような実感結果であった。牛黄を、マウス、ラットでテストすると、イ)肝血流が急激に上昇する。肝炎の数値を示す。GOT、GPTは改善しない。ロ)牛黄+熊胆の混合物投与、肝機能が一段と良くなる。ハ)牛黄とし四塩化炭素(劇物)を投与。肝機能は一段と悪くなる。ニ)以上の実験で「牛黄」が、肝血流を大へんよくしていることが解る。以上が、やっと解明された、「牛黄」の薬理作用の第一報であった。退院後に、施工した鉄筋3F建が、1年がかりでやっと完工した。ウチダ和漢薬の本社より、その間、2回ほど、訪問を受けている。新築の2Fで、「五行の庭」を眺めながら、話をしている。延ばしに延ばしていた東京の講演に出かけた。東京全逓会館、平成10年12月12日。退院後、初めての“講演”、さすがに本調子になれなかった。

「水に棲む蛙の声」瀬尾昭 著 より

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2017年7月 「MBCラジオ生出演で緊張」

全国の商店街で盛んに行われている「まちゼミ」の第2回目を開催するにあたり、責任者としてラジオ出演依頼がありました。「まちゼミ」は興味を引く話題でお店の人が講師となり、雰囲気をわかってもらいながら、お客様も得する少人数セミナーです。各通り会からも代表がラジオ出演しました。打ち合わせ用紙を書いているうちに、ふとペンが止まりました。質問に「今頑張っている事」、「頑張る勇気をくれた曲」とあります。「さて、今がんばっているのかな?」という単純な疑問(反省)と、「最近好きな音楽をあまり聴かなくなったな~?」と天井を見上げる始末でした。何とか話題になりそうな事を書き上げ、さて本番当日。電話でスタジオのEさんと話すのですが、緊張で「のどがカラカラ」、「心臓はドキドキ」、椅子にも落ち着いて座れません。そこで、こういうときに服用すると良い漢方薬の「牛黄(ごおう)」をなめてみました。あら不思議!集中して緊張も吹き飛び、あっという間に10分経過してしまいました。終わりの合図のリクエスト曲「MOVIN`OUT(ビリー ジョエル)」が流れだした時には正直ホッとしました。お蔭様で「まちゼミ」も順調に消化しました。

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2017年8月「薬剤師会での漢方講演」

薬剤師会から講師依頼があり、80名位を対象に初心者向けの漢方薬の話を1時間お話しさせていただきました。 まず、漢方薬には教科書(古典)があり、理論や考え方、診方がある事。原料は生薬が中心で、自然界の物を使用。それぞれ「味」があり、性格として温めたり冷やす作用がある。そこに作用する目標の「臓や腑」があること。「気・血・水」という理論があり、「気」は目に見えないエネルギーでちょうどよいレベルがある。「血」は血液のことで、状態として「ドロドロ(瘀血)」や「シャビシャビ(血虚)」は健康とはいえない。「水」も必要なものだが、体内にあり過ぎても(偏り過ぎも)、少なすぎても病気の状態であること。顔色が「青い」人は「肝」を病み、「赤い」人は「心」を病み、「黄色い」人は「脾」を病み、白い人は「肺」を病み、黒い(浅黒い)人は「腎」を病む。体力や熱の有り余っている人は、削ったり冷やす処方(瀉剤)、体力が無く気力の劣る人は、補剤で補う。店頭にみえた時から観察し、歩き方や姿勢、仕草、声の大きさ、表情、体臭、クセなどをチエックしておく。などなど。ほとんどの薬剤師は処方箋調剤で受け身の作業しかしていない為、自発的な考えや、観察思考が重要になる事をお話ししました。




セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2017年9月 「 しゃっくりが止まらない」

Mさんの奥様から家内の携帯に電話相談があったのは、朝の7時頃でした。「主人の“しゃっくり”がなかなか止まらないのよ!」開店と同時にご主人本人が見えました。「指宿に泊まりに行って楽しんできたけど・・・」としゃっくりをヒックヒックしながら経過を説明していただきました。知らない人がこの光景を見たらつい笑ってしまうような話しぶりです。本人は本当にまいってしまっているようでした。「恐らく内臓の冷えから来る病気でしょう。特効薬の漢方薬があります。」と煎じ薬5日分お渡ししました。「早ければ1服で、遅くとも5日以内には止まりますから。」と説明し、お帰り頂きました。翌朝、「どうだったかなぁー?」ふと考えている所に、いつものお顔でMさんがご来店。私も少し緊張しました。ニコッと笑顔で、「セオさん止まったよ!」と一言。「言われた通り飲んだら、一服で止まったよ。有難う。また出たら困るから、頂いた残りも飲みとるよ。今日来たのは家内の事で、風邪をこじらせて熱出して寝とるんョ・・・。」一難去ってまた一難。お大事にされて下さい。


セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎


2017年10月「正しい漢方薬の使用」 その1

医療用漢方メーカー大手のT 社を週刊誌Sが批判する記事がありました。T社の医療用漢方エキス製剤は保険適用により、ここ20年ほどの間、急速に一般市民に普及し、多くの医師が処方経験ありと答えています。本来、古来からの煎じる漢方薬と最近のエキス剤は区別されますが、エキス製剤も国が認める「医薬品」である為、適正な使い方が大事です。普及に伴い、副作用の例も報告され、死亡する症例も出ています。S誌 の言いたいのは、漢方薬製造メーカー大手として医師への漢方薬の正しい選択の普及が出来ていないこと、ついでに、T社のエキス剤が保険適用になった経緯、政治的な流れもおかしい、という内容でした。記事には、生薬の「黄芩(オウゴン)」や「柴胡(サイコ)」、「附子(ブシ)」の入った漢方薬(記事の商品写真は一般に売られているパッケージと医療用が混在していて文章との関連が解りずらい)を具体的に取り上げ、死亡例を片手に処方批判がありました。確かに上記生薬は我々専門家は常に意識している原料の一つです。暫くこの話題を取り上げていきたいと思います。


セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2017年11月「正しい漢方薬の使用」 その2

例えば、「黄芩」や「柴胡」には抗炎症作用があり、つまり、“熱を冷ます作用”があります。一方、「附子」は“暖め”て“冷え”を取ったり、“痛み”を和らげたりたりします。この特徴を考えず(知らず!?)に「病名」だけで処方の名前を選択するのは確かに危険です。副作用があってもおかしくありません。あと、どこの部位に熱があり、どこの部位が冷えているか?という寒熱の所在も大事です。処方により、熱い場所を温めすぎたり、冷えている場所をもっと冷やしてしまって悪化することが考えられます。私個人気になっている事ですが、現在の漢方薬を選択する多くの医師は化学薬品を主(柱)として用い、漢方薬をフォロー的に併用しています。この手法は医療用漢方が出始めてから特に多くなり、過去に経験していない組み合わせの併用を日本国民がしています。未知の組み合わせの中で、死亡例などの副作用が起こってからあわてて注意喚起しているのが現状でしょう。主役成分でなく脇役成分も漢方薬の場合大事にしており、化学薬品との相互作用がわかっていない成分も多いと思われます。S社の記事はここらへんも言いたかったのかもしれません。

セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2017年12月 「正しい漢方薬の使用」 その3

私の薬局には毎年、薬学部の5年生が実務実習の一環として漢方薬の研修に来ます。処方と病態の対比もですが、薬剤師の職能として、気をつけなければならない生薬や、服用する方の体質などの観察等、総合的に教育をしています。「小柴胡湯」と「インターフェロン」の併用により「間質性肺炎」の副作用が起こった例、「甘草」の副作用の「偽アルドステロン症」、妊産婦への瀉下剤(例えば「大黄」)など、現代医学の目でも注意を促す必要があります。これらは薬剤師国家試験問題にも頻繁に出題されている項目の一つです。実習の中では、乾燥した生薬をかじってもらい、「味」を確かめてもらっています。漢方の味として、「酸(さん 酸っぱい味)」「苦(く 苦い味)」「甘(かん 甘い味)」「辛(しん 辛い味)」「鹹(かん 塩からい味)」の五味を説明の上、生薬がどの味か確かめるのです。これは生薬の各味(成分)が五臓と五腑に吸収され、薬効を発揮するからです。これに比べ化学薬品は、原材料を賦形剤でカサを増し、カプセルや錠剤、顆粒、あるいは砂糖で甘くしたり、香りをつけたりしてマスキングを施し、服用しやすい剤形に加工しています。漢方薬は逆にこれらの味を大事にしながら服用します。煎じ薬であれば、臭い・香りなども薬効の一つと言われています。食べ物と一緒ですよね。


セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2018年1月 「正しい漢方薬の使用」 その4

本草書「神農本草経」(薬草解説書)という古典では、原料の各生薬を体にかける負担をポイントに、上中下の三段階に分けています。「上薬(じょうやく)」は体を助け、副作用が無く、長く飲んで命を養うもの、「中薬(ちゅうやく)」は上薬と下薬の中間で、注意しながら使用するもの、「下薬(げやく)」は毒性が強いので、短期間に使用するもの、というような区別をしています。現代の化学薬品は成分が純粋で作用が強い半面、副作用が付きもので、上記の中では下薬にあたり、上薬は無いと言われています。近年の薬事法の大改正で厚生労働省も似たような制度を作りました。現在一般用の医薬品は、「要指導医薬品」、「第1類医薬品」、「第2類医薬品」、「第3類医薬品」に分類され、作用の強い薬から弱い薬まで分けられています。「神農本草経」とは基準が違いますので、比較は難しいのですが、毎日服用するのには、生薬を用いた「漢方薬」の方が安心して服用できるような感覚がするのは私だけでしょうか?ちなみに現在の市販の漢方薬は第2類(第②類) 、第3類に分けられているようです。(他にも漢方薬が分類されている部門がありますが省略します。)


セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2018年2月 「正しい漢方薬の使用」 その5

漢方薬の選び方として特に「寒熱」を考えながら処方を選ぶことは大事な考え方の一つです。体が冷えて痛みがある人に「冷やす」生薬を与えると、合わないどころか、副作用で何らかのトラブルを起こすのは当たり前です。この逆で熱のあってほてる方に、温める物を与えるのもしかりです。ただし、人の体はちょっと複雑で、冷えのあるところには熱があり、熱のあるところには冷えが存在すると考えます。問題はどこが冷え、どこが熱を持っているかなのです。漢方薬が面白いのは、先ほど説明した「味」により、成分の行き場所が方向づけされるということです。酸は「筋膜(筋肉)や肝・胆」、苦は「血脈(血液)や心・小腸」、甘は「肌肉や胃・脾」、辛は「皮毛や肺・大腸」、鹹は「骨髄(骨)や腎・膀胱」といった具合です。現代の抗がん剤の分子標的薬に近いのかもしれません。それぞれの味の混合と分量によりそれぞれの臓器にそれぞれの成分が効果を発揮するという仕組みです。

セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2018年3月「正しい漢方薬の使用」その6

いわゆる薬の副作用を未然に防ぐには、定期的な観察や問診、検査がかかせません。その窓口で関所の役目をする一つが薬局なのです。処方箋を受けている保険薬局に対する厚生局(国)の保険指導内容はごもっともと思います。つまり、効能・効果もですが、一方の「副作用(安全性)」も考えながら行うべき服薬指導や問診において、同じ処方をだらだら(ホイホイ?)と出し続け、チエックしていない状態の「まんぜん投与」という行為に対し、「(なぜ事前に薬剤師が)医師に疑義照会をしないのか?」という詰問がよくあります。これは、治れば廃薬すべきものを、治らない中で薬をだらだらと長期間続けさせ、副作用を引き起こしたり、返って病気を進行させてしまう可能性があるという見方です。急激に膨れ上がっている医療費の増減とも関連することです。今回の記事は、メーカーばかりを責めるのはお門違いで、漢方医学の医師への教育、薬剤師の観察眼と責任感、厚生労働省の監督指導がまだまだ行き届いていない結果だったのではと思います。今後、漢方薬が正しい方向付けで理解、普及していくことを期待する一人です。(完)

セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2018年7月「お客様勉強会御礼」

お陰さまでいづろ店も6月19日をもちまして、開業32周年を迎えました。今年最初のお客様勉強会を6月21日に開催しました。今回は日東薬品工業の中條幹夫先生に、「新発見!!細胞は若返る!!ALAで身体の中からイキイキ」という演題で御講演頂きました。体の細胞は36兆個あると言われ、「ALA(アラ:ガンマアミノレブリン酸)」は、1個1個の細胞の中にある体の活力エネルギーを作る工場「ミトコンドリア」に作用し、低下気味の代謝を上げてくれる事がわかっています。冷え症や低体温の方が服用すると体が温まり、汗をかく人もいるようです。疲れやすかったり、気力低下しやすい方にも良いとのことです。体力低下しているガンの治療をされている方の補助としても役に立つと思われます。白い小粒の錠剤ですが、ものすごいパワーを持っていることにびっくりします。新商品で液体ドリンクも開発され、広い応用が期待されます。先日ご参加いただいた方の感想では、「良く寝られるようになった!」、「体調が良くなり元気が出た!」「体が温まった!」等、お喜びの声を実際頂いています。個人的な感想ですが、「牛黄(ゴオウ)」の作用に似ているような気がします。ゴオウは起死回生の薬として群を抜いて鋭い効果を発揮する事がわっていますが、最近急に輸入困難になり、仕入れ値がつり上がり品薄状態です。ゴオウの代用として「ALA」を使って良いのではと思っています。

セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎