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ちょっと役に立つ話「血圧サージ(高波)」


*ある日突然、脳の血管が破裂 血圧サージ(高波) NHKスペシャルより

2015年1月、Iさん(39)は夕食後にお酒を飲んでいた時、体に突然の異変を感じた。「ガッと眠気が襲ってきて、どうもおかしいと思い横になり、1時間半くらい寝て起きたら、もう足がもつれて動かない。」妻が救急車を呼び、病院に運ばれる途中、Iさんは意識を失った。脳の血管が破裂し、大量に出血した脳卒中だった。4日目の深夜、Iさんは意識を取り戻したが、後遺症で右手の握力は3分の一に落ち、建設作業員の仕事は止めざるを得なかった。

一般に脳卒中は、高血圧や高血糖などが原因で起こるとされています。Iさんは発症直前、医療機関で血圧測定や採血などの検査をうけていたが、値は全て正常。血圧はもちろん、血糖やコレステロールなどにも異常は見られなかったのになぜ、突然脳の血管が破裂してしまったのか。Iさんを担当した医師は、脳卒中の症状が少し寝た後で悪化したことに着目した。そこで特殊な血圧計を使って、普段は調べない寝ている間の血圧を詳しく検査すると、本来なら睡眠中は120mmHg(収縮期血圧)程度まで下がるはずの血圧が、急激に上がっている時間帯があることが分かり、もっとも高い時間帯には正常より80mmHgも高い200mmHg近くまで上昇するときもあり、睡眠のたびに繰り返されたこの血圧の急激な変動が、脳卒中を起こした大きな原因だった。

*異常な「血圧の変動」=血圧サージとは

健康な人でも、1日の中で血圧は波のようにゆるやかに変動しています。しかしIさんのように、ある時間帯だけまるで高波(サージ)のような変動をしている人の場合、血管に負荷がかかり、命にかかわる病気のリスクが高まることが分かってきました。もともと血圧が高い人はもちろん注意が必要ですが、健康診断で血圧が正常値と云う人も無関係ではありません。健康診断で正常値でも自宅で朝や夜に血圧を測ると高いという血圧サージが疑われる人は、正常血圧者の10~15%、およそ600万~900万人に及ぶと考えられています。

血圧サージは血圧を司る「交感神経」の働きがカギを握り、健康な人でも、体を活動しやすくするために血圧は朝から日中にかけてゆるやかに上昇し、夜は休息のために低下します。この変化を司るのが「交感神経」で、交感神経の働きが何らかの要因で過敏になると、朝に必要以上に血圧が上昇してしまったり、休むべき夜に血圧が上がってしまったりします。その結果、血合圧サージが生み出されてしまうのです。

交感神経の働きに影響を与える要因としては、「飲酒」「塩分の多い食事」「喫煙」「不眠」「ストレス」等があります。Iさんの場合、こうした生活習慣上の要因があったうえに『睡眠時無呼吸症候群」が引き金となって血圧サージが起き、睡眠中に短時間呼吸が止まった事によって交感神経が激しく活性化し、血圧が急激に上がってしまったと考えられます。血圧が急上昇するというのは血管の壁が強い力で押され内皮がダメージを受けて傷がつき、硬くなり動脈硬化を加速させます。また、サージの圧はプラークを潰す力があるので、血管が詰まったり破れたりして、脳卒中や心筋梗塞を起こしてしまいます。また、強い圧が末梢の細い血管に及ぶと、そこが詰まって血流が滞るため脳血管性の認知症の発症リスクを高めることもあります。

*血圧サージによる脳卒中や心筋梗塞を防ぐ10ヶ条

①起床時間に合わせて部屋を暖かくしておく

②床は裸足で歩かず、スリッパや靴下をはく

③目覚めてしばらくは寝床でゆっくりする

④冷水ではなく、ぬるま湯で顔を洗う

⑤新聞を取りに外に出る時は暖かい格好で

⑥入浴時には脱衣場を暖めておく

⑦薬は効果が24時間以上続くものに。短ければ2回服用する

⑧血圧が高いと感じたら深呼吸して落ち着かせる

⑨排便はあまり力まない。便秘をしない

⑩月曜日の朝はゆとりを持って行動する

*1日たった10分!タオルを握って血圧が下がるーハンドグリップ法

カナダの医師が考案し、米国心臓協会(AHA)でも血圧改善の補完療法として上げている。デジタル握力計を用い「最大握力の30%の力で2分握り1分休む」を左右2回ずつ行う。

この方法を基に、より手軽にできるようアレンジしたのがフェイスタオルを使った方法。

①フェイスタオルを3回たたみ正方形の形にしたものを棒状にゆるめに丸める。

②握った時に親指が他の指につかない太さに調整した後、タオルを2分間握り1分休むを左右2回ずつ行う。(握る際に呼吸を止めないでください。息をとめて力むと血圧が上がってしまう恐れがあります。)

③週3回でOK!

*なぜ?タオルを握ったら血圧が下がるのか?

①タオルを握ると前腕の筋肉が縮み血管が圧迫されるので血流が低下する。この状態を2分間持続する。

②手を緩めると血流が元に戻る。この時に血管の内皮細胞から一酸化窒素(NO)が放出され、全身の血管がリラックスし血圧が下がる。