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ちょっと役に立つ話「腎臓」②


*NHK【腎臓が寿命を決める】より 鍵となる成分はリン

腎臓が調整している成分である「リンの量」が動物の寿命と大きく関係している事が注目されています。血液中のリンが欠乏すると呼吸不全、心不全、骨軟化症、くる病などの病気に罹ってしまいます。その反面、リンが過剰になると老化を加速する事が判明したのです。

動物にはほぼ決まった寿命があり、ネズミが3年、羊が20年、ゾウが70年と寿命が長い動物ほど体が大きい傾向があります。しかし、その傾向に当てはまらない動物も存在するのです。

例えば、体の小さいハダカデバネズミやコウモリが約30年、人間はゾウよりも長い75年の寿命があります。これらの長生きする動物には血液中のリンが少ないという共通点があるようです。

【2017年8月17日 慶應義塾大学医学部「食事で摂取されるリンの代謝が寿命を制限するー老化のメカニズム解明につながる成果ー」プレスリリース】

*リンとは

リンは、別名「骨のミネラル」と呼ばれ、体の中にあるミネラルの中で、カルシウムの次に多いミネラルです。そのうち約90%は骨や歯をつくる主成分であるほか、筋肉、脳、神経、心臓などのさまざまな組織に含まれています。リンには、血液が酸やアルカリに傾くのを防ぐ作用があるほか、ビタミンB1・B2等の結合子補酵素となって糖質代謝を円滑にし、肝臓や心臓が正常に働くように作用します。

リンは、多くの栄養素が不足しがちであるのとは逆に、加工食品やお菓子等での過剰摂取が問題とされています。カルシウムとリンのバランスが崩れると、体内に摂取したカルシウムが体にうまく利用されないため、丈夫な骨ができにくいのです。このためリンとカルシウムは同量、もしくはカルシウムを多めに摂るように心掛ける事が大切です。

食品として摂取されたリンは十二指腸や大腸から吸収されます。リンはほとんどすべての食品に含まれているため、普通の食生活をしていても多くのリンを摂取しますが、ほとんどは尿として排出されてしまいます。リンはビタミンDの働きで吸収を促進され、カルシウムと結合して骨や歯の主成分となります。

リンはアデノシンと結合してATPとなります。ATPは必要な時にリンを放出してエネルギーとなります。リンはATPとなって体内に存在することでエネルギーを備蓄する働きをしているのです。また、DNAやRNAの構成成分となります。細胞膜の構成成分であり、細胞を守りエネルギーの運搬などをしています。筋肉の収縮を補助し、神経伝達や心臓、腎臓などを正常に動かす役目を果たしています。

*リンを多く含む食品とは

リンが老化を加速すると聞けば、たぶん「リンを含む食品を避けなければ!」と思われる事でしょう。リンには、食材に含まれる「有機リン」と食品添加物の「無機リン」の2種類があります。

タンパク質と結合している「有機リン」は、肉類、魚類、卵、豆類、乳製品に多く含まれます。

一方、食品添加物の「無機リン=リン酸塩」は、リン酸は、ハムやソーセージ、かまぼこ、魚肉てんぷら、インスタント麺、菓子、冷凍水産品等に、保湿剤、接着剤、被膜剤などありとあらゆる目的で使用されたいます。生エビや貝などにも保水処理として使用されています。生麺にもかんすいとして使用されています。化粧品には保湿剤として使用されています。

食品に含まれる「有機リン」の量は、食物の栄養表などで調べる事ができますが、食品添加物の「無機リン」は、表示義務がないためどのくらい含まれているのか調べるのが困難です。また、「有機リン」の腸での吸収率は20~40%くらいに対し、「無機リン」の場合は、ほぼ100%吸収されると言われています。リンの摂取を少なくするには、先ず加工食品を避ける事から始めるのが賢明で、リン酸の過剰摂取は今や社会問題化しつつあります。カルシウム不足や腎機能障害以外にも、うつ病等も関係すると言われています。

食品添加物に多用されていて、いわゆる「プリプリ」「モチモチ」の『食感』『触感』のどちらにもリン酸が多く使われています。現代人には加工食品を食べない食生活は難しいのですが、一食で何品もの加工食品ばかりを食べないように気をつけましょう。

リン酸はそれ自体は非常に有用で害の無い添加物ですが、あまりにも多岐に使用されているため、無意識のうちに過剰摂取になってしまうのです。加工食品を食べる頻度をできるだけ減らすように努力しましょう。またカルシウムやマグネシウムを多く摂取するとリンの吸収を阻害できるので、加工食品やコンビニ弁当を多く摂っている方はできるだけ多くカルシウムやマグネシウムを取るように心掛けるのも良いでしょう。

*高リン酸血症とは?

腎機能が低下すると、リンの排泄ができなくなり、徐々に体内に溜まって高リン血症となります。高リン血症はそれ自体自覚症状はありませんが、高リン状態が続く事により、骨がもろくなったり、骨ではない所に石灰化を起こして心筋梗塞や脳卒中といった深刻な事態につながります。CKDの患者さんは日頃から血清リンの値に注意を払い、リンの値を基準値内にコントロールする事が大切になります。