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ちょっと役に立つ話「糖質オフダイエット」


「太る原因は脂質ではなく糖質だった。糖質についてよく知り、賢くとる」

近年、人気の「糖質オフダイエット」。「低炭水化物ダイエット」などとも呼ばれ、数多くのメディアに取り上げられてきました。体は糖質の接種を減らすとエネルギーが足りなくなり、脂肪を分解して補おうとします。糖質を摂取することにより、食後の血糖値が上昇すると、それを下げるインスリンが分泌されます。インスリンには余った糖を脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きがあるため、糖質の摂取を控えてインスリンの分泌を抑えると太りにくくなります。しかし、「思ったほど痩せない」という人も多いのはなぜでしょう。

「市販の野菜ジュースの罠」

消化器内科が専門で内臓脂肪に詳しい栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅氏は、「最近、野菜不足を気にしてジュースを飲んでる人が多いが、市販の野菜ジュースは果物が含まれているものが多く、この習慣が減量の邪魔をしている場合がある」と言います。糖質はその結合数によって単糖類、少糖類、多糖類に分類されますが、結合数が少ない程吸収が早いので、果物はとりすぎると太りやすくなります。特に咀嚼の必要のないジュース類は吸収が早いので要注意です。

また、主食を減らした分を野菜で補おうと、サラダを積極的に食べる人が多いですが、デンプンを多く含む「ポテトサラダ」を選んでは糖質オフになりません。

また、ヘルシーなイメージの春雨は、イモや豆のデンプンから作られるため、うどんやそばよりも糖質含有量が多いなど、「糖質オフしてるつもり」でも、実はできていないことが多いのです。

「極端な糖質オフは太りやすい体をつくる」

糖質オフは、糖尿病の食事療法から始まりダイエット法として一般に広まったものです。急激に減量すると、脂肪だけでなく筋肉がやせてしまい基礎代謝がグッと落ちます。また、脳が命の危険を感じ、消費エネルギーを抑えて体重を維持しようとするため、やせにくく太りやすい体質になってしまうのです。減量とリバウンドを繰り返すことを”ウエイトサイクリング”といいますが、極端な糖質制限はこの状態を招きやすいので要注意です。

日本人はエネルギーの約6割を糖質からとっているので、主食を完全に抜くと栄養バランスが崩れてしまいます。ラーメン+チャーハンのような糖質の重ね食いをしている人は見直しが必要ですが、糖質は適度に摂り、運動習慣を取り入れた方が減量には効果的と考えられます。

多糖類のうち、穀物やイモ類に含まれるデンプンには、消化吸収されずに小腸を通過し、食物繊維と同様の働きをする”レジスタントスターチ”が含まれます。消化吸収がゆっくりになるので、「腹もちが良い」ということになります。尚、一般に医薬の世界で多糖類と呼ばれるのは「活性多糖体」のことであり、免疫活性効果等があることが知られています。代表的なものとしては、キノコ類に多いβーグルカン、クマ笹のアラビノキシランが挙げられます。