相談例集

生活習慣

2020年10月『「腎臓トラブルの症例」CKD(慢性腎臓病)その⑥』

症例その1
この方は元々軽い腎炎で専門医で診察を受けています。クレアチニン値が1.4から上昇気味の男性。なかなか数値に変化がない為、私に相談がありました。数年セオのお客様としてお付き合いしていましたので、何となく背景が理解できる事でした。それは、「風邪をよくひく」ということです。喉痛や排尿に関する相談を普段から受けていました。天然微量ミネラルの錠剤と天然植物医薬品をすすめ、半年位経ったでしょうか?話があるとお電話がありました。何か悪いことがあったかな?と恐る恐る変わると、「クレアチニン値が正常域に入り非常に嬉しかった」との内容でした。久々の朗報に私も嬉しくまた、ホッとしました。

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2020年11月『「腎臓トラブルの症例」CKD(慢性腎臓病)その⑦』

症例その2
70代前半の元気で小柄なやせ型の女性。過去に「運動はしっかり欠かさずやっていた」とのこと。医師からは逆に「やりすぎ」と言われたので今「やらなくなった」。クレアチニン値が1.3から微妙に上がって「将来透析デスヨ」「腎臓の薬はありません」と脅されたと来店。早速、漢方薬と天然微量ミネラル錠剤を飲んでもらう。1ヶ月後、「下がった」と報告。よかったですね!(早いなー)その後、さっぱり顔が見えず。1年経って、「飲まなくなったらまた上がった、今度は真面目の飲むから処方してほしい、よろしく」と来店。「水分もとりながら、歩くような軽い運動は毎日続けて下さいね!」翌朝、再来店、「飲み方はいつ?どれくらい?」と確認。現在継続中。

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2020年12月『「腎臓トラブルの症例」CKD(慢性腎臓病)その⑧」

症例その3

糖尿で漢方薬を服用の男性。クレアチニン値が上がり、医師から気をつけるよう言われた。もともと「糖」があるので説得してそちらにも良い「補助剤」を併用してもらう。今のところ数値が上がらず(下がってもいないが・・)本人は安心している。「歩くだけでも良いので毎日運動して下さい。小中高校生をみならって、朝歩く、昼体操、夕歩く週5回はリズムを作って下さい」と指導。「水分はさまし湯程度のぬるい温度で飲んで下さい。冷たい水は体に負担かけます。」「焼は良かどかい?!医者どんかぁあんまい飲んみゃんなち言われっちょっとお!」「困りましたねえェ、薄めにして補助剤を必ず飲んでて下さい」先は長いようです。

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2021年2月『「腎臓トラブルの症例」CKD(慢性腎臓病)その⑩』

症例その5
県外の方です。何回もお電話をいただき、やっと予約が取れました。70代前半やせ型、独身男性。特殊な設計のお仕事で一日中事務机に座っている事が多く毎日忙しい。数年前から糖尿病、高脂血症、高血圧の治療薬服用。最近ついにクレアチニンの指摘を医師からされ、「透析」の2文字を言われた。たまたま知り合いが鹿児島のセオ薬局を紹介してくれた。最近は運動で歩く習慣を持っている。体形もやせ型で悪く見えませんが、体の中はボロボロの状態のようでした。年齢のこと、今、死の三重奏(「死の四重奏」は上半身肥満+糖代謝異常+高中性脂肪血症+高血圧)であることをお伝えし、漢方薬、天然微量ミネラル、天然植物医薬品を服用する事にし、回数や量を多めにしっかり飲むように説明。真面目にコツコツと続けておられます。1年経過していますが、糖、血圧、高脂血症いずれも変化しているはずです。

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2021年4月『「腎臓トラブルの症例」CKD(慢性腎臓病)その⑪」

症例その6

小学校の頃から知っている私と同年代の男性。当時は勉強目的(塾)だったので話をしたこともなかった。その昔、父親が糖尿でセオの漢方薬を飲んでいた。当時の顔を思い出す。そのうち失明及び透析。息子本人も糖がありセオの漢方薬を長年服用下さる。先日突然何十年ぶりに訪ねて見え、子供の頃の殻がサーと溶けるように昔話がはずむ。その中で、「最近クレアチニン値が上がりだして医師から透析でおどされた」とのこと。父親の事もあり、「将来が同じ道をいくのが怖いので」と相談となる。漢方薬と補助剤、運動、生活習慣を再度お話し、現在福岡に発送中。

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2021年9月「青い目の姉妹」

 若いお母さまから子供の事でお電話がありました。「小学生1年生の長女が風邪をひきやすく、プールの授業を受けさせて良いか?」という問い合わせでした。「直接は本人を見ている担任や養護の先生に相談されたら」とお答えしましたが、「先生(私)が診て下さい」と、午後の帰宅を待ちご来店となりました。年少の妹さんも見え、賑やかになりました。本人ですが、やせ型で日焼けをした普通の小学生でした。風邪をなぜ引くのかわかりませんでしたが、「目が青い」事に気がつきました。白眼が白を通り越して青く見えたのです。「冷え」が入り込んだ結果だと直感しました。また、目が青いのは、肝(疳)の緊張を意味し、落ち着きがなくなります。漢方では肝臓と目は「臓と腑」の関係で影響を受け合っていると見ます。ふと妹さんに目をやると、この子も目がうっすら青く見えました。「子は親の鏡」と言います。お母様のふだんの子育てがちょっと見えた気がしました。子供同士のキンキンした様子はありませんでしたが、まだよくわかりません。さて、プールですが、風邪は天気や気温により、冷えてこじらせることが予想されるので、その日の判断が必要とお伝えしました。特に、あがった後濡れたままの状態では冷えてこじらすため要注意、とアドバイスしました。しばらくお付き合いする事になるのですが、“青い目”の漢方薬と天然アミノ酸の栄養剤で様子を見ることにしました。

 

 

 

肝は目を破る 冷えで目が白青く見える

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師

瀬尾昭一

2021年12月「肺がんと言われた女性 」

Nさんの紹介でAさんがみえたのは数年前の秋の頃でした。直前にご主人を亡くされ、精神的に落ち込んでいた頃の様です。再度精密検査を行い、医師からは、ガンは初期のレベルなので内視鏡手術で取りましょうという話だったとのこと。しかし、「どうしても手術も薬もいやなので、なんとか漢方薬で治してほしい」と拝まれ、慰めながらの問診をしました。当日は肺がん用の煎じ薬、体力をつけるため天然アミノ酸製剤、自律神経の調整で牛黄製剤をお出ししました。その後、暫くお見えにならず、紹介者の方もどうしたのかしら?と心配していました。と、ある日ご本人がご来店。「がんが消えた!」とのこと。検査の仕方では見逃すことも考えられるので、慎重に行きましょうとお話しましたが、「これで手術しなくていい!」と大変喜ばれていました。ここ一年は、生活習慣に気をつけ、オススメしている商品は続けて下さい。気を緩めすぎないようにとアドバイスをしました。ご主人の寂しさもあったのだろうと振り返りましたが、吹っ切れた感じでとても明るくなりました。定期的に服用されています。

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2022年1月「鼻水が止まらない高齢者男性 」

「鼻水がスッタンスッタン垂れっ困っちょっとぉ。治しっくいやったもんせ!」70代後半くらいの男性が見えました。中肉中背、便通もよく、特に持病もありません。散歩も欠かさず朝夕行っていました。キチキチした性格が見えました。漢方的な問診をした後、舌を診せてもらいました。「あれ?きれいな舌ですねぇ!?」年齢に似合わず薄くピンク色に輝かり、まるで“女学生のような”きれいな舌でした。漢方的には違和感が残りました。「とりあえず鼻水の漢方薬15日で様子を見て下さい。何か健康法で頑張っている事がありますか?」お尋ねしました。少し考えてから「そういえばここ2年かかさず、毎朝野菜を数種類ミキザーでつぶしてジュースを飲んじょっど。医者どんかぁ勧められっ、血がキレイになっち聞かせっもろたとぉ。血圧も下がったど!」ここまで聞いてピンときました。そう、舌の違和感の答えが解りました。生の野菜ジュースはカリウムが多くて冷えます。夏はまだしも、冬もコツコツと毎朝飲む事で、すっかり胃が冷えてしまい、玉突き式に肺系も冷え、肺の子分の鼻に影響、すなわち、鼻水が出だしたわけです。一方、カリウムをとることにより、血圧はさがりひと安心でした。意外な落とし穴が見つかり、納得されてお帰りになりました。

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2022年4月「肝硬変の男性 」

「肝硬変の漢方薬がありますか?」お電話がありました。「体格等により選ぶ必要があるので、一回顔をお見せ下さい」とお伝えした後、すぐ40歳代、赤ら顔で体格の良い男性が見えました。医師からは「肝硬変」で治らないと言とわれ、別の漢方薬店で煎じ薬を買ったが、面倒で飲み辛く、効かなかった、飲みやすい錠剤はないかとの希望でした。アルコールは飲まないとのことでしたが、不規則な生活リズムと、明らかに食事内容が原因とみられる「脂肪肝」が考えられました。仕事上の制約は仕方がないけれど、薬ばかりでなく、「食べ物の注意をしてほしい」とアドバイスしたところ、興味を示して下さいました。幸い「魚が好き」だということがわかり、焼き物、煮物などをオススメし、「油脂類にくれぐれも気を付けてほしい」とお伝えしました。具体的には揚げ物、特に「皮」の油を吸っている部分。「オリーブオイルなど飲む人がいるが良くない」と説明したところ、「飲んでいます」とショックな返事。「これが出来ないと悪化しますよ」とご理解いただきました。漢方薬ではありませんでしたが、「肝硬変症 脂肪肝等」の効能書きがあり、肝臓に良い「牛黄」や「ビタミン」、「アミノ酸」を含んだ専門薬の錠剤を持っていかれました。早い回復を考え、1日の錠数を多めに飲むこともオススメし、半年から1年は経過を見てくださいと添えました。

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2022年7月「学校薬剤師 薬物乱用防止授業 」

 ここ数年、小学校の依頼で薬物乱用防止授業を受け持っています。対象は3年生から6年生までの4学年を学年ごとの授業になります。「薬物乱用防止」とは、医薬品(くすり)レベルでは目的に応じた正しい使用をすること。薬物化学薬品レベルでは、違法性のあるものの禁止、成分で体に大きな影響を及ぼすものの制限や拒否等の教育を目的としています。麻薬、覚醒剤、違法ドラッグ等はよっぽどの何かがない限り手に触れるものではないですが、たばこやアルコール等は成人が日常的に嗜好しており、身近にあります。このレベルのものを「ゲートウェイ」といって、気軽に体験してしまう入口として気を付けるように指導します。知識としてはしっかり受け入れ断る勇気を持つことです。上記“見本”を展示しますが、みなさん興味津々で、質問が飛び交います。「これ何々?本物?」「触っていいですか?」「中身は?」関心を持つことは大事なのですが、「本物」を見たい、体験したらどう感じるのだろうという気持ちにならないか心配します。将来、第二次性徴期に差し掛かるので「健康」「成長」「運動」「勉強」等を例に、一人の体ではなくみんなの中の一員であることを自覚してもらうことが大事かと思います。そして、何か困ったり悩むことがあったら、周りに相談できる人がいたり、雰囲気や環境があることが必要です。

 

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2022年8月「18歳と81 歳の違い」

長寿番組「笑点」の大喜利コーナーで出されたお題の回答、納得です!身につまされる内容もあるかもしれませんが笑い飛ばしてください!コロナも吹き飛びます!

< お題 > “18歳と81歳の違い”
・道路を「暴走」するのが18歳、「逆走」するのが81歳
・「心がもろい」のが18歳、「骨がもろい」のが81歳
・「偏差値」が気になるのが18歳、「血糖値」が気になるのが81歳
・「受験戦争」で戦っているのが18歳、「アメリカと戦った」のが81歳
・「恋」に溺れるのが18歳、「風呂」で溺れるのが81歳
・まだ「何も知らない」のが18歳、もう「何も覚えていない」のが81歳
・東京オリンピックに「出たい」と思うのが18歳、
東京オリンピックまで「生きたい」と思うのが81歳
・「自分探しの旅」をしているのが18歳、
「出掛けたまま分らなくなって皆が探している」のが81歳
・「ドキドキ」が止まらないのが18歳、「動悸」が止まらないのが81歳
・「恋」で胸を詰まらせるのが18歳、「餅」で喉を詰まらせるのが81歳
・早く「二十歳になりたい」と思うのが18歳、
出来ることなら「二十歳に戻りたい」と思うのが81歳
おまけ 歯科の先生
・お手入れで虫歯ゼロの18歳、入れ歯だから虫歯ゼロの81歳

※    あなたも人ごとではありませんよ~!?

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2022年9月「夏の終わりに思うこと」

この夏、漢方相談をしながら、「面白い事だなぁー」と一人考えることがありました。結論だけお伝えすると、相談者のほとんどが、嗜好品の「ビール」と「アイスクリーム」で体調を崩し、症状がこじれていたことでした。夏の「暑い」中、「冷たい」もので内臓(口、食道、胃、肺、腸、子宮、膀胱など)を痛めていたのです。これだけの確率で愛飲(食)者がいるということは、これらの製造メーカーはさぞかし儲かっている事だろうと羨ましく思いました。日本全体ではお医者さんの出すお薬やドラッグストアの薬、健康食品など、治療に関連するものが売れ、可哀想なことに、これらの嗜好品が売れるほど、病人が増え、薬の種類も増え、しかも病態が長引いているという構造が見えてきます。「本人の勝手でしょう」というご意見もあるでしょうが、健康相談を仕事としている私にとって、病人が増えることは有難くもありますが、こういう病人を作りながらメーカーの売上が伸びることについては、ばかばかしくも感じます。似たような事では、他の嗜好品でもたくさんあるでしょう。性善説や性悪説にも通ずるところですが、社会は「風が吹けばおけ屋が儲かる」式の構造で仕事が成り立っているのだ!と一人納得しました。自身の教訓として一日でも早く良くなるために、本日も養生指導をしています。

 

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

 

2022年11月「ばね指の男性 」

Fさんの紹介でNさんご夫婦が見えました。「ばね指で手術を進められたが、しなくて治るようであれば、漢方薬を飲みたい」とのことでした。糖尿の基礎疾患があり、職場は外での力仕事が多い、甘い物が大好きで夏はアイスクリーム、清涼飲料水、ビールをよく口にしていることがわかりました。私も病気の仕組みをよく理解していなかったので、前もって予習していました。指の動きが悪い原因となる、手の平の一部を切る手術のようでしたので、「手のひらの反射ゾーン」のわかる自前の資料で確認したところ、手の平のど真ん中に「太陽神経叢(たいようしんけいそう)」という場所が目に留まりました。これは胃の周りに張り巡らされている自律神経で、特に冷たいものが胃に入ってくると反応して、周りの臓器から血液を集め、胃を暖めてくれるのです。そう、冷やし過ぎると組織としては固くなり、反射ゾーンとして関連性のある手のひら中央の筋肉が硬くなるのです。当然、指の動きに関係します。血行を良くする漢方薬、基礎疾患を助けるアミノレブリン酸、人参製剤を15日分で様子を見ましたが、その後の報告で「良くなっている」とのことでしたので、しばらくは1ヶ月単位で様子を見ていくことにしました。

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2023年3月「首下胸上のかゆい男性 」

その日は漢方相談者の対応をしていました。店頭にやせた高齢の男性がスタッフと話をしている姿を見て気になっていました。一旦お帰りになったので、後で内容を尋ねたところ、「ここ一年、首の付け根下から胸上、丁度ランニングシャツの肌が見える部分が痒くて困っている。一番強いステロイド軟膏で痒みが止まるが、次のクラスのステロイド軟膏では効かない。昨晩インスタントラーメンを食べたらひどくなった」という内容でした。再度予約をしてもらい、患部を診たところ、ツキノワグマの胸の白い部分が三日月状に真っ赤になっており、皮膚が薄く、痛々しい(本人は痒くてたまらない)様子でした。汁が出ている様子は見受けられませんでしたが、時間の問題かな~と思いました。皮膚の炎症をとる漢方薬の顆粒、かゆみの原因となる、汗や汚れをとる清拭剤、直接皮膚に塗るセオのローション剤、食事の矯正のために葉緑素の錠剤を差し上げました。一ヶ月後、「先生、半分くらいに痒みが取れました」とご報告。診ると、赤みが大分引いていました。
「今回は煎じ薬の漢方薬に切り替え、しっかり治しましょう」と希望を持ちながらの相談でした。


セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2023年5月「息切れする男性」

朝礼を済ませた後、ジャージ姿の60代で高長身の男性が従業員と話しており、やがて「相談です」と呼ばれました。「運動をすると息苦しくなる」とのことでした。少し体重もあることがわかりました。右足半月板を痛めており、激しい運動は避けているとのことでしたが、テニスを若い時から続けているという事でした。血圧が高く、尿酸値がギリギリ。呼吸器専門では吸入剤をもらったが、「自分の訴えとちょっと違うがなぁ」と思いながら使用、いまいち効果も見られなかったとのことでした。どこをポイントにしたら良いのかちょっと考えましたが、まず循環器系を基準に年齢的な血液の汚れの「瘀血」を改善する漢方薬を選択しました。日常では定年後あまり運動をしていないこともわかり、まず、「体重をもう少し落とすこと、毎日歩くこと」をお願いしました。「急な運動は呼吸器や心臓に負担がかかるので、漢方薬を朝昼晩飲みながら歩くことから始めましょう」と説明したところ、「私もそう思います」と同意してくださいました。スポーツをやっていたこともあり、「将来もう少し馬力が出たら、しっかり運動を行い、アミノ酸の良い栄養剤があるので合わせて服用するともっと良くなりますよ!」と添えました。

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2023年7月「舌痛症」

女性がほとんどですが、舌の“痛み”や“ピリピリ感”、“味がわからない”等の相談をお受けします。「舌」は、食べたり飲んだりする時、声を出したりしゃべる時無意識に自在に動いています。日頃も、体熱を見る時、胃の具合を見る時、体液を見る時、などに観ています。漢方でも「視診」として観ることにより東洋医学的な診断をします。舌先は「心」、中央部分は「胃」、その奥の部分は「肺」、その両脇部を「肝・胆」、舌全体の最も奥の付根部分を「腎」という配置で色、燥湿、大小など観察します。舌が厚く大きい人は胃も強く食欲旺盛、逆に薄く小さい方は胃も小さく消化の力が弱い。舌全体がボーっと白っぽい人は胃腸や肺の冷え、赤い人は内臓に熱がある、舌の横に歯型がついているのは「気虚」と言って、精神的に疲れている方。舌が震える人、あまりしっかり「ベー」と出来ない人は神経を病んでいる人、貧血の人はオレンジ色が強く、健康なピンク色との比較によりレベルを推測します。舌を上にめくり裏側にある静脈の腫れや色を見ることで、血液のドロドロ具合を見ます。さて、舌の痛みがある方は、精神的なストレスが原因と言われています。味がわからない方は亜鉛不足と言われています。それぞれ何らかの生活習慣から発生しているようです。

 

 

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2023年9月「多汗症の男性」

今年は異常な暑さが続いています。全国的に最高気温更新のニュースが報道される中、昼にお電話がありました。昔から「多汗症」で、異常な“大汗”をかくとのことでした。現在、外での作業が主で急に暑くなり汗が噴き出てくる、熱中症対策で水分はしっかり飲むよう気を付けているとのことでした。個人差はありますが、暑い時に汗をかくことは大事です。体温調節や代謝や血行を良くしたり、皮膚表面の老廃物を排泄する役目があります。過去の相談を思い出しました。上半身の汗を止めるため、脇にある自律神経の神経節を切る施術をされた若い女性、術後汗をかかなくなったまでは良かったのですが、カサカサ肌になってしまい、逆に汗をかく漢方薬をとのことでした。これも悩ましい相談でした。さて、今回は「黄耆(おうぎ)」という生薬を使った漢方薬を選びました。黄耆はマメ科の植物で、元気をつけたり、汗の異常を正したりする生薬です。飲んでいる“水分の明細”を確認したところ、“炭酸入り”で“冷たい”ものをよくとっているようでした。暑いのですが、できるだけ常温で胃腸を冷やさないようにお願いしました。胃が冷えると「肌肉(きにく)」下に水が溜まり、暑い中では一気に汗が噴き出すからです。おまけで“夏場の涼める食品”の話もしてあります。


セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2023年12月「背中が痒い80代女性 」

皮膚病の相談で問合せが入り、後日相談日を連絡予定していました。翌月曜日の朝「今から来たい」と連絡がありあわてて対応しました。患部を見せてもらうと、左肩肩甲骨にそって掻いた跡が赤く腫れており、一部は周りにブツブツがみられました。「いつからかゆいのですか?」「ここ数年。きのうは特に痒くなって掻いてしまった」いろいろ問診が続きます。医師の食べ物のアレルゲンの検査結果では何もひっかかっておらず、わからないとのこと。医療用の漢方薬も合わなかった。「昨日は何を食べましたか?」一つ一つねちねちと質問します。すると、「明太子」がやっと出てきました。「先生の検査ではこれはありませんもんねぇ」となぐさめ、ピリ辛で刺激物、卵が原料加工品のため反応しやすかった事を説明しました。他にも原因になりやすい食品をたくさん好んで食べており、「治るのにはかなり時間がかかる」ことをお伝えしました。年齢の割には若くはつらつとされており、患部以外の皮膚はシミもなく綺麗な皮膚をしておられました。熱を持ちやすい場所の為、気温の高い時は痒みがひどくなることが予想されます。頑張りましょう!


セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2024年1月「利き腕が痛い男性」

夏の猛暑には参りました。「しょうちゃん、腕がいて(痛い)がよ!」幼馴染みのHちゃんから立ち話で相談がありました。やせ型で、本来は健康体です。ここ2ヶ月くらい肘から先の腱がコリコリ音がし、筋がビリビリ痛みが走るとのこと。生鮮食品を製造しており、半世紀ほど毎日暗いうちから夕方、年末は夜遅くまで一年中働きずくめの毎日です。セオで「アミノ酸製剤」、「天然クマザサエキス」をしっかり飲んでいます。「毎日飲んじょって、ないごて痛どかい?(しっかり飲んでいるのにどうして痛い)」「・?!・・・」返答に詰まってしまいました。つい、“仕事”と“年齢”のせいにしたい所でしたが、じっと我慢。「暑かけど何か冷たかのを飲んじょらんけー?ビールはね?」「ウワッ、いかんのけー!昼も飲んじょ!」。昨年も似たようなコラムを書きましたが、ビールは夏に一番冷えるベスト3のトップに上がります。ずばり言い当てられ頭をポリポリかきながら「何か頂戴!」、「無臭ニンニク製剤カプセル」と痛み止め「セオの双竜散」を差し上げました。胃腸を冷やす飲み物食べ物をしばらくは中止、夏でも湯船につかる、痛い部分の保温のため何かカバーするようにアドバイスしてあります。


セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎