相談例集

生活習慣

2017年9月 「 しゃっくりが止まらない」

Mさんの奥様から家内の携帯に電話相談があったのは、朝の7時頃でした。「主人の“しゃっくり”がなかなか止まらないのよ!」開店と同時にご主人本人が見えました。「指宿に泊まりに行って楽しんできたけど・・・」としゃっくりをヒックヒックしながら経過を説明していただきました。知らない人がこの光景を見たらつい笑ってしまうような話しぶりです。本人は本当にまいってしまっているようでした。「恐らく内臓の冷えから来る病気でしょう。特効薬の漢方薬があります。」と煎じ薬5日分お渡ししました。「早ければ1服で、遅くとも5日以内には止まりますから。」と説明し、お帰り頂きました。翌朝、「どうだったかなぁー?」ふと考えている所に、いつものお顔でMさんがご来店。私も少し緊張しました。ニコッと笑顔で、「セオさん止まったよ!」と一言。「言われた通り飲んだら、一服で止まったよ。有難う。また出たら困るから、頂いた残りも飲みとるよ。今日来たのは家内の事で、風邪をこじらせて熱出して寝とるんョ・・・。」一難去ってまた一難。お大事にされて下さい。


セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎


2018年3月「正しい漢方薬の使用」その6

いわゆる薬の副作用を未然に防ぐには、定期的な観察や問診、検査がかかせません。その窓口で関所の役目をする一つが薬局なのです。処方箋を受けている保険薬局に対する厚生局(国)の保険指導内容はごもっともと思います。つまり、効能・効果もですが、一方の「副作用(安全性)」も考えながら行うべき服薬指導や問診において、同じ処方をだらだら(ホイホイ?)と出し続け、チエックしていない状態の「まんぜん投与」という行為に対し、「(なぜ事前に薬剤師が)医師に疑義照会をしないのか?」という詰問がよくあります。これは、治れば廃薬すべきものを、治らない中で薬をだらだらと長期間続けさせ、副作用を引き起こしたり、返って病気を進行させてしまう可能性があるという見方です。急激に膨れ上がっている医療費の増減とも関連することです。今回の記事は、メーカーばかりを責めるのはお門違いで、漢方医学の医師への教育、薬剤師の観察眼と責任感、厚生労働省の監督指導がまだまだ行き届いていない結果だったのではと思います。今後、漢方薬が正しい方向付けで理解、普及していくことを期待する一人です。(完)

セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2018年6月「全身の皮膚炎で自殺まで考えた男性」その2

炎症があって、熱や赤みがひどいので漢方薬、血の熱が強いので、冷やす葉緑素製剤、手の保湿に専用のローション等最低限のものをお出しし、油脂類等を避けるよう食事指導を徹底しました。「回転すしはどうですか?」質問がありました。あとでよくよく調べ、やはり我慢をするように伝えました。翌月おみえになりました。外見はそんなに良くなっていませんでしたが、表情は明るく、「だいぶ良くなった!」とおっしゃって下さいました。おそらくかゆみ、ほてりがいくらか治まったのだと想像しました。それから数カ月毎月定期的にお見えになり、少しずつ快方に向かっています。暑くなる頃からでしたので、自分の汗でかゆみが出たり、仕事で帽子をかぶるため、汗とよごれまみれになり心配しましたが、なんとか切り抜けました。お孫さんが遊びに来るので、その手でだっこするのが楽しみだとおっしゃっていました。


セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2018年9月「夜の寝つきの悪い○○○○」その1

不眠の訴えの方が多いです。ほとんどの方は、寝つきが悪く目がさえて寝られなかったり、2~3時間して目が覚めてしまいそのあと寝られなかったり、という訴えです。ほとんどの方は医師からの短時間型の「睡眠導入剤」や、「安定剤」、一般的な「睡眠剤」を服用しています。そこでよくある質問が、「飲むとぼけませんか?」です。「すぐにはないでしょう?個人差もありますが、長期間の服用の中で、老化も伴うので徐々にはぼけますよねー!?ぼけても自分がわからなくなるので、服用していいんじゃないですか?」と冗談交じりにちょっと脅します。生活習慣を尋ねると、昼間に2~3時間も昼寝をする方がいました。体がきついので、しかたがないとは思いますが、昼間は出来るだけ起きておく努力は必要でしょう!また、睡眠剤を服用した追い打ちに「アルコール」を飲む方がいます。薬剤師としては、「アルコールと睡眠剤は一緒に飲んではいけない組み合わせ」と指導します。向精神薬なども同様の事が言えますので、気をつける必要があります。アルコールの薬理は脳神経を最初興奮させ(陽気になる)、時間が経つと沈静(眠なる)、濃度が薄くなると再度興奮する(目がさえる)流れがあり、薬の作用が変化する可能性があります。肝臓にも負担がかかります。化学薬品も同様です。次回のコラムで漢方薬処方紹介します。



セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2018年10月「夜の寝つきの悪い○○○○」その2

漢方薬もサッと効くものではなく、その方の生活習慣や体質を確認しながら選ぶ必要があります。緊張が続いて興奮気味の方、肝の高ぶりがある方は、「抑肝散陳皮半夏」。過労で疲れて返って寝れない方は、「酸棗仁湯」。不安が強く気分のさえない方は「加味帰脾湯」、夢を良く見る人は、「桂枝加竜骨牡蠣湯」、足が火照って布団から足を出す方は「三物黄芩湯」、などなど。医学的には自律神経のバランスの崩れから眠れなくなる事も考えられます。昼間に働く「交感神経」、夜に働く「副交感神経」のバランスが大事です。血液検査では「顆粒球」と「リンパ球」の比率で状態が把握できます。自律神経の立て直しをするのに、「牛黄(ごおう)」や「紅参(こうじん)」の「原末」を使った漢方薬がよく効きます。牛黄は水戸黄門の印龐にも入っていた高貴薬です。副交感神経を引き出す作用のある事が実験で解っています。より効果を上げる補助として、血管を開いて血行を良くする、「二号方」という漢方薬を併用するともっと相乗効果が期待できます。日々の体調を整えるために運動やお風呂につかるなど生活習慣の工夫をし、要は一時的に服用するのでなく、毎日の服用を継続することがポイントになるでしょう。

セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎

2018年11月「 好酸球過多による過敏性大腸炎の女性」

遠方の□さんから初めての相談のお電話がありました。今までの病歴、検査値、服用している漢方薬、新薬、の内容を一時間ほどお伺いしました。漢方薬の処方をたくさんご存知の様子で、検査内容や病状も専門用語がポンポンと出て来て、ほとんど一方的なお話でした。「好酸球過多」に伴う「喘息」「過敏性大腸炎」等の病名を訴えられたのですが、根底に観えたのが「低体温」でした。「自律神経失調」「アレルギー」「神経過敏」「疲労」「不眠」等、ある程度の病態は当てることができました。このことは病気との付き合いが長いことを感じることができます。お手紙を書き、漢方薬とアミノ酸製剤、食事内容、漢方薬の選択の考え方、日頃の養生、等手紙2枚と「セオの養生食べ方学パート2」をお送りしました。その後、この内容にも熱心な質問があり、3~4カ月は同じような訴えと薬の選択など相談が続きました。そのたびに食事や養生を繰り返し繰り返しご指導しました。「今までの病歴が長いので、すぐには無理ですが、病気との付き合いをしながら、季節ごとの生活習慣の注意をし、まず1年、そして3年努力すると今以上に健康を維持できると思います。」と、この前のお電話でも励ましながら、お話しました。


セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎