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2009年2月 インフルエンザと漢方薬


今、鹿児島県では、インフルエンザ警報が発令中です。
万能と言われた「タミフル」がAソ連型に無効という意外な発表があり、薬剤の選択には診察時の診断が重要なポイントになります。
東洋医学では、急性のかぜやインフルエンザなどを“傷寒病”と呼び、対応する処方がいろいろあります。インフルエンザの原因はウィルスと現在わかっていますが、東洋医学では原因になる悪者を「外邪」と位置づけ、体力や熱、寒け、頭痛、肩コリ、無汗など目安に処方を考えます。
対応する処方としては、麻黄湯(マオウトウ)、葛根湯(カッコントウ)柴葛解肌湯(サイカツゲキトウ)、桂麻各半湯(ケイマカクハントウ)などがよく使用されています。本来、煎じ薬が良いのですが、顆粒の場合、お湯に溶かし、熱い状態で服用する事をオススメします。上記処方には「麻黄(マオウ)」という生薬が主役で入っており、発汗、解熱、鎮咳などの作用があります。漢方薬は古典に基づき規定量の生薬と組み合わせ、複合した症状の治療を行います。
今年の干支、“牛”の胆石が原料の「牛黄(ゴオウ)」を使った処方もインフルエンザに有効です。

セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎