2026年10月植物名「サンショウ 」生薬名「山椒(サンショウの実)」
香辛料、スパイスのひとつです。ウナギのかば焼きに欠かせないサンショウの実。鹿児島の郷土料理に「酒ずし」がありますが、錦糸卵や蒲鉾、ゴマなど色とりどりのこの上に飾る緑色のサンショウの葉は香りと共に食欲をそそります。実を原料とする漢方薬では手術後の大腸の機能回復目的で「大建中湯」が良く使用されています。冷えからくる腹痛、膨満感に「当帰湯」があります。正月のお決まりで家庭でたしなまれる「屠蘇散(とそさん)」は桂皮、山椒、陳皮、桔梗、防風、蒼朮、丁子などの生薬を粉末にしたものです。日本酒と地酒をブレンドし、大晦日に一晩付けて元旦に頂きます。初夏のことでした。キアゲハがサンショウに卵を産み、いつの間にか葉を幼虫が食べつくしてしまったことがありました。“まいった”と思いつつ枝に着いた蛹を見つけると、生命の息吹を感じそっとそのままにしておきました。翌日、殻だけが残っていました。イヌザンショウとの区別では、サンショウの刺が二つづつ対であるのに対し、前者は交互に互生している点で区別します。香りも違います。“イヌ”とは役に立たないものという意味らしいです。イヌトウキ、イヌビワ、イヌホウズキ、「犬」あるいは「否(いな)」の意味が考えられます。
セオ薬局代表取締役 薬剤師 瀬尾昭一郎