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2012年6月 不登校とキツネツキ


5月の連休中、40代のお母様が思いつめた顔で相談にみえました。
高校の娘さんが不登校になり困り果てているとのことでした。
低血圧、低体温で朝は目が覚めても起きられない。1週間は便秘、ガスが学校で頻繁に出るが家では出ない。ニオイがはずかしい。心療内科の薬は飲みたくない、サプリメント5~6種類などなど。
お母様の目が赤くなり話が中断。私も同年代の子供がいるので、人事とは思えませんでした。
ふと“キツネツキ”の漢方を思い出しました。”何かにとりつかれた様に精神状態が不安定な人”に処方です用いる処方です。
これに、”自律神経”を調え、朝と夜のメリハリをつける薬用人参製剤の錠剤と、念のため、”気”の発散を助ける牛黄製剤を差し上げて様子を見ることにしました。
2週間後お母様がご来店。「お陰様で学校に行っています。朝はパッと起きるようになり、周りの目をあまり気にしなくなりました。」と明るい声でした。
短期間の回復に私も喜びましたが、しばらく1日のリズムを大事にし、登校する事を目標にとするようにとお話しました。

セオ薬局 代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師  瀬尾昭一郎