年末の昼前でした。「先生、店頭に、“肛門が痛いけどいい漢方薬がないか”と相談されたい方が見えています・・。○キソニンが効かず、カ○ナールはどうかとかおっしゃっていますが・・・。」とスタッフの伝達がありました。早速お会いすると、やせ型色白での神経質そうな60台の男性が眉間にしわを寄せ、腰を浮かせる様に浅くお座りでした。お伺いしたところ、数年前に大腸ガンを患い、ありとあらゆる医療を試してきたけれども進行が見られた。今回肛門部の痛みがひどく一般の鎮痛剤が効かなくなったとのことでした。検査値を口頭でポンポンとおっしゃるのでお尋ねすると、医療従事者の方でした。思うようにいかずあせっている様子がうかがえました。まずは腸を中心に温めて痛みをとりましょうと、漢方薬の煎じ薬、それから体温を上げるため牛黄製剤をお勧めし、一週間分だけ差し上げました。
セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師 瀬尾昭一郎