漢方では「怒ると血が濁る」といわれます。「息も紫色」になると言います。いかにも「気の病」の一つでしょう。「怒りはと肝を破る(肝臓を悪くする)」とも表現されます。経験上、一回ブチ切れると底まで吐き散らかさないとなかなか怒りは収まらず、必ず後悔の念にさいなまれます。漢方薬でイライラや癇癪、眠れない時良く効く「抑肝散」あるいは「抑肝散加陳皮半夏」という処方があります。子供がキーキー言う、あるいはチック(言葉でうまく表現できないため小さな動作を繰り返し訴えてバランスを取る。無意識に目のシパシパまばたきを繰り返したり、口の周りをペロペロなめるなど)に用います。校長先生上がりで肝臓の相談があり、「柴胡加竜骨牡蠣湯」を長く服用して頂きました。うっ血してどす黒かった顔色が少しずつ明るくなり、肝臓値も合わせるように良くなっていきました。「深呼吸をしましょう!」とアドバイスする先生もいらっしゃいます。「貧乏ゆすり」も緊張を緩める動作のひとつと言われます。日頃の運動の習慣も大事です。アルコールは飲み過ぎないように。爆発しないように常にガス抜きをすることです。桜島も小さな噴火は大事で、これがないと大噴火となります。癇癪持ちは損をする。
セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師 瀬尾昭一郎