40代前半の男性の相談でした。一番元気でバリバリ仕事をこなす年頃なのに元気が出ないのはなぜ?よくわからないのでお尋ねしました。5年前に胃がんの手術をしたこと、それからアルコールが毎晩欠かせず、冷たいビールから氷入りの洋酒を飲むのが楽しみとのことでした。これは!と、答えはすぐ出ました。“胃腸の冷え”から来るトーンダウンです。胃は食べ物から“気” (陽気)をもらう消化器の役目があるのですが、手術で無くなってしまったので、当然パワーダウンします。胃の摘出後、貧血になりやすいことも知られています。(貧血では元気も出ません!)これに夜の“陰”のタイミングで「冷え“陰”(ビール)」が入り、腸を冷やすのですから元気が出るどころか沈下(鎮火)するのも当たり前です。体温も落ちます。ガンから助かったことは幸いでしたが、臓器がないということは、片脚がない事と似ていて、何か補助(養生)をしないと5年後また何か起こりますョとアドバイスしました。なぜ癌になったかも尋ねたい所でしたが、過去より将来の方が本人の為と思いました。漢方薬も考えましたが、価格も手頃な天然アミノ酸製剤のお湯割りをおススメし飲んで頂くことにしました。
セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師 瀬尾昭一郎