セオ薬局について

自然薬草の森をつくるまで


●施工前kouen_mae.jpg map_07.gif


面積:53.000㎡
植物の種類:約350種類
このような歴史に支えられ、「自然薬草の森」では約5万坪の敷地内におよそ350種類の薬草が自生しています。
四季折々のたたずまいと、5万坪の大自然を味わうだけでも気力が充実してくる事と思います。

●施工後kouenn_ato.jpg

私の祖先、一官何欽吉(いっかんかきんきつ)が、日本で始めて発見し、ひろめた「薬用竹節人参」の歴史性を確かめるため、昭和三十四年より十五年間をかけて「和人参の史的考察」という論文をまとめ、昭和五十年の日本東洋医学会の席上発表しました。
超高齢化社会へむかう現在、健康づくりの原点として、新しい角度と視点から、「県立の薬草園」を造ってみては如何ですか、と行政に推めてみました。昭和五十年の頃です。
そして、これには何等かのたたき台が必要であることが解りましたので、自分の手と足で、五年がかりで資料を集めめ、ようやく、五十四年の上半期に揃えることができました。やがて、この年の十二月の県議会本会議でK議員の発言により、鎌田元知事が「造りましょう」という答えを出され、完成が五十九年五月でしたから、足かけ十年の歳月を経ているわけです。

私の始めからの考えは、
1自然のたたずまいを残す。
2健康づくりには、自然との調和しかない。
という、この二つの主張だったのです。

自然薬草の森の、メインの芝生には「桑」が植えてあります。
漢方入門の古典に「傷寒論」という本がありますがこの本の基になった書物に「素問」があるのです。
素問の素という文字は「もとのままの意」で、蚕が糸をくり出すもとのままの姿だとされています。
蚕は桑をたべて育ちます。自然との調和をこの本は説いているのです。
「桑」は又、絹繊物文化の原点とも受け取れるのです。
自然薬草の森の「心」は、自然との調和を表現したつもりですから、皆さん、お出かけの際は、このあたりをくみとって頂きたいと思っております。


昭和59年5月オープン以来、「自然薬草の森」では県内に自生する様々な薬草を見ることができるようになりました。
そもそも鹿児島と薬園の関わりの歴史は古く、万治二年(1659年)第十九代、島津光久が山川郷桶の村に「山川薬園」を創設。
日本でも4番目に古い歴史を持っています。

セオ薬局会長 瀬尾 昭
(自然薬草の森 設立委員)


 

北西に杉林、東南に小高い丘があり、
その間を湧き水流れる自然の地形を利用して、
植生に応じた植物が栽培されています。

【お問合せ】
鹿児島県霧島市溝辺町丹生附
県民の森緑化センター(自然薬草の森)
TEL 0995-59-2374

「薬草の集い」講義(薬草教室)記録(抜粋)

開催日時:平成28年4月29日
場所:自然薬草の森(鹿児島県溝辺町 県民の森内)

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春・夏・秋の年3回、公益社団法人鹿児島県薬剤師会では「薬草の集い」を開催しています。

この度、講師を務めさせていただいた講義録から抜粋させていただきました。
講義(薬草教室)の後は、薬剤師の案内のもと園内を散策。
今後も開催いたしますので、参加ご希望の方は鹿児島県薬剤師会までお気軽にお問い合わせください。

<お問い合せ>鹿児島県薬剤師会
〒890-8589 鹿児島市与次郎2-8-15
TEL 099-257-8288


● 講演録(抜粋)
瀬尾昭一郎

瀬尾昭一郎
セオ薬局代表取締役 漢方薬・生薬認定薬剤師

 

鹿児島と薬草との関わりは深く、薩摩藩は山川、佐多、吉野に薬草園を持っていました。「三国名勝図会」の中には薩摩藩が薬草栽培に力を入れていたことが記されています。
その流れを今に伝えたい、現代人に薬草を生かしてもらいたいという思いから、鹿児島県に提案したのが今から40余年前。現会長の瀬尾昭は5年の歳月を費やし、自分の手と足で資料を集め、企画立案。
昭和59年に開園、提案から足掛け10年が経っていました。


 

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薬草の森は県民の森の羽生附地区の5.3ha。広々とした園内には350種類の薬草を育んでいます。水生植物、林間植物など8つのエリアに分け、それぞれの育成環境に合った薬草を育てています。
現代には様々な健康法が宣伝され、氾濫しています。
健康を守るのは自分が主役。運動や食事といった身近な生活習慣が基本です。
体全体の状態をチェックし、体質を見極め、五行説を基本にする漢方的な考え方が大切です。

カキツバタ

旬のものは季節に必要な栄養素を豊富に含んでいます。例えば秋は気温が下がり、乾燥し始める季節。夏に消耗したエネルギーを補い、体に潤いをもたらす柿、栗、梨、山芋、銀杏、蓮根などが旬を迎えます。
そしてこの薬草園にも植えられているハトムギ、ドクダミ、ケツメイシ、ゲンノショウコ、そして梅干しや生姜などは民間薬に分類されます。
これらは昔からの民間の伝承。漢方とは別のもので、特別な場合を除いて、誰でも飲めるものです。

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ただし中にはジキタリスの葉、キョウチクトウの葉、おもとの根など家庭では用いてはいけない、毒を含んでいるものもあります。
そのため私はハトムギ15g、ゲンノショウコ5g、ハブ茶5~10gを一日大人一人分として、水500㏄で半量になるまで煮詰めたものを基本に、とお伝えしています。それに、血圧が高い人はよもぎ5g、シュロの葉5g、クワの葉10g、夏枯草10gをプラス、といったように。その人の体調に合わせて薬草を足し引きします。

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日本人が伝承してきた五節句は食事と運動とそして「気」を大切にする漢方的な考え方と相通じています。
普段食卓に上っている野菜や果物、意外にも薬草の仲間であったりと。
ここ薬草園に足を運んでいただければ、沢山の発見があることと思います。
自然に触れながら、薬草についても学んでいいただける薬草園。
今日は、いい空気を吸いながら歩いて、楽しんでください。
専門の薬剤師が案内し、植物をご覧いただきながら解説いたします。


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園内にあるシンボルツリーの山グワ。中国の古典「素問」の素は蚕から取った生糸が一筋ずつ垂れることを表しています。


本の紹介

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「薬草の詩」ー自然とのふれあいをもとめてー
代表的な薬草162種類をエッセイとカラー写真で紹介
鹿児島県薬剤師会編
1,500円(税別)
鹿児島市内の書店にて販売中
入手できない場合は、セオ薬局へお問い合わせ下さい


「自然薬草の森設立より 薬草の詩出版まで」
セオ薬局会長 瀬尾 昭著 全29ページ短編

380円(税別)